さよならと今の私。





ついに終わってしまうのですね。いつか終わってしまうものですが、やはり寂しいものですね。
勢いに乗ってどこまでも、何歳になっても、ずっと一緒に歳を取るものだと思っていたりした。
でも時間と一緒にたくさんの出来事が起こり、考え方の変化も起き、ついに終わりを迎えることになった、らしい。
一度止まったこのバンドは、2012年のレーベル10周年で久しぶりに私の目の前に現れた。大編成で驚いたことばっかりで、でもやっぱり面白くてでもちょっと寂しい気持ちもあってなんて思っていた、最後に、3人で、3人で向き合って演奏している姿を見たときのなんとも言えないあの気持ち。もしかしたら、その時、こういう未来が遠くはないと感じていたのだろうか、今となってははっきりはわからない。久しぶりに見られてとってもとっても嬉しかったけど、手放しで100嬉しいだけじゃなかったのも確かではあるのだ。
2011年の年末、暮れの元気なご挨拶でみんなのMCは本当に感動的だった。ずっと一緒にやってきて、これからも一緒(バンドは違っても)なんだなーってなんかじんわりした。この日が本当に良い日だから、次もみんなでこうして会おうと言ってくれた事、嬉しくて絶対またここで見たいと願ったがそれも叶わなくなってしまったんだなぁ。なんてなんかぼんやりしちゃうね。
どうしてやめちゃうの!信じられない!嫌だ!って、気持ちはなくて、ただ漠然と寂しいという気持ちがじわじわと身体を満たしていく感じですなぁ。



最後のアルバムが、5人でつくられたものだと知り、それがやはり嬉しいものですね。
私は本当にある程度有名になってからしか知りませんので、リアルタイムで買ってライブに行ったりはSongs〜からなのですな。このアルバムは、音楽には景色があるということを強く示してくれた大切な1枚で、それが本当に嬉しくてたまらなくて、溢れる景色をキーボードで打ちまくって、思い余って読者レビューに投稿するという行動をさせたわけですね。編集さんに「本当に好きなんだと伝わります」と言われたのは、会社の更衣室でした。嬉しかったなぁ。出来上がった雑誌はずっと私の宝です。その時もね、卓史くんのことをべた褒めしてて、この5人で凄いって事に私の中ではなってるんだなと改めて。ですので、さよならも5人でというのは、私にとって勝手に特別なこととして捉えられているわけなのですね、きっと。


星野くんのソロも大好きだし、関連するからと舞台も見たり。浜野さんとのスペシャボーイズは忘れ得ない本当に笑いに笑った面白い番組だったなぁ。それで面白い出会いもあったし、グッズ当てたりしたりしてね。未だに「それソーセージ持ちすぎでしょう」は忘れることのできないフレーズなんです^^愛しかなかった。
そして何よりも、大地くんのドラムに出会えたこと。初めて見た磔磔でのライブ、終わってからはもう「大地くんカッコいい」の一点張り。それからGOOD DOG HAPPY MENを知ったり、GOODLUCK HEIWAを知ったりし、ライブに行き、たくさんの事を感じた。5年前の冬、私にはGOOD DOG HAPPY MENの音楽があって本当に助かった。


色んな人とライブに行って、色んな人と知り合って、今は滅多に会わなくなったり、今でも会ったり、いつか会いたいと願ったり。またねどこかでと手を離したり、小さい私にもそれなりの出来事があった。
寄り添うような、見守るような、蹴飛ばすような、いつなんどきも「今の私」に変化してくれる自由そのものであるようなその音は、これからもその時の「今の私」の手の中の胸の内に居てくれるんだろうとは思っている。


と、ここまでが解散を知っての私。



4月7日、たまたま休日だった私はSAYONARAを買いに行った。ついでのFreeのタイトーくじも引いた。
諸々の買い物も済ませ、帰ってきてまず封をあけた。もらったポストカードは手帳にはさんだ。好きなものがたくさんはさんである手帳に。
歌詞カードをパラパラとめくって、みんなの笑顔にほろりとした。
エメラルドミュージックにピアノの音があって、それだけでグッときてじーんとして5人なんだと心から実感した。
あ〜ライブ見られるんだと聞きながら小躍りしながらまた泣いた。サケロックに会える、友達に会える、そう思って泣いた。
サケロックに出会えて本当に良かった、こんなにも私には大切だったんだと思い知って愛しかないと思った。
相変わらずの色とりどりの音楽は、けっこうシンプルに出来上がっていて(という私のただの感想です)、あー新しい曲なんだと嬉しい、でもこれから新しい曲はないのかと寂しい。
この後映画を見に行きたかったので、聞きながら野菜スープをつくっていた。ダンダンとリズミカルに野菜をきざみ、この涙は玉ねぎのせいだとしいたけを刻みながら目じりを拭った。
もしも、彼らがじいさんになってまたサケロックしたくなったら、ばあさんになった自分はまた見たい。そう思って一人でえへへと笑った。
スープは美味しくできた。相棒に取り込んだ音楽を持ってさあ出かけよう。
本当に、いつもどんなときでも変幻自在のミュージック、それが私のサケロック。嬉しくも寂しくも楽しくも怒りにさえも、これからも寄り添って一緒に歩いてね。
いつまでも忘れない、思い出すのは、私の前で笑ってくれるその音楽。大丈夫だよ、さあ行こうと、待っていてくれるその音楽。それに気づいた時どんなに嬉しかったことか。
誰にわかってもらえなくても、そこにある音楽は私を支えてくれている。
さよならをありがとう。
ライブを見たら、思いっきりありがとうって言うんだ。なんだか、涙なしでは見られない気がします。ここで泣いているようじゃあね。



ここまでが、SAYONARAと私。




ライブが終わった、未来の「今の私」は、またその時にゆっくりと。